歩くトリは首を振る
ハト、ニワトリ、ダチョウ。
歩くトリは首を振る。
馬や鹿などの草食動物同様に顔の側面に目が付いている彼ら。
通常の状態では物を立体的に観ることが出来ない。
しかし物体の立体視、自他の距離を測ることは生存においてその確率を上げるためにとても重要。
だから彼らは首を振る。
前後に頭を動かして、視差を生み出し物体との距離を測る。
さらに近年、特に人間の近くに住むハトに度胸が加わった。
その立体視の能力を活かして自転車をギリでよける。
危なくなったら、一応、飛ぶが人間がよけてくれるのを知っているかのように振る舞う。
もう、彼らはスリルを求めているとしか思えない。
きっと、回転するタイヤが横を通り過ぎるその瞬間がたまらないのだ。